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【2009/08/04 22:30 追記】
関連記事のご紹介&拍手レスを追記しました。
どうもこんにちは謙太郎です。
先日突発に行われた、楊さんの「やん☆らじ10.5回目出張版」にゲストで出させていただきまして、その際に「ネギま!」258時間目の『千雨の発言』で気になった点がありました。
ラジオで話していて改めて自分でも整理してみたくなったので、久々に考察を書かせていただきました。
ちなみに今までスキャン画像を使った事がありませんでしたが、今回初めて使わせていただきました。
描かれた千雨の表情からも、色々な心情が読み取ることができるかと思いましたので使わせていただきました。
まとめていて非常に長くなってしまいましたが、是非ご一読いただければと思います。
「ネギま!」258時間目(28巻収録分ラスト)までのネタバレが含まれます。
ご注意ください。
↓
↓
『長谷川千雨:変わる「環境」・変わる「心境」』
●目次
以下のリンクから各項目にジャンプします。
●はじめに:明らかになる「心の変化」
258時間目「世界のヒミツの核心へ!!」を読んでいて違和感を感じた部分がありました、それがコチラ。

10P目最初のコマ、「魔法世界のヒミツ」を知ろうと決めたネギに対しての一言です。
過去にも言い放たれた聞き覚えのあるセリフなのですが、覚えてらっしゃいますでしょうか?

20巻182時間目「ネギ・パーティ、準備万端!!」より。
魔法世界に向けて発つ準備をしているネギに対しての一言。
内容としてはどちらも「麻帆良学園での日常を過ごすだけではいけないのか?」といった内容ですね。
同じような事を改めて再確認のために言っているようなセリフとなっています。
確かに受け手のネギにとっては「同じ内容」ではあるのですが、明らかに全く違う一点があります。

(左:182時間目より、右:258時間目より)
対象が『奴等』から『私達』に変わっているのです。
伝えている内容は同じかもしれませんが、この一言が違うだけで意味がかなり違ってくるのが分かるかと思います。
182時間目のような『奴等』という言い方である場合、「自分以外のクラスメイト達」を指していると思われます。
千雨の言いそうなセリフに置き換えるなら「私をその中に入れてくれるんじゃねーぞ?」といったところでしょうか。
しかし今回の『私達』という言い回し・・・これは確実に「自分も含めたクラスメイト達と・・・」という意識の変化があったのでは?
確かにここ最近の、特に魔法世界に来てからの千雨は、急激な心境の変化が行動に表れるようになってきています。
今回はその「心境の変化」が見られる部分をまとめつつ、どのような経緯で千雨がこの心境まで至ったかについて考えてみようと思います。
●1:あくまで「現実主義」者
まずは千雨がネギの従者になるまでの経緯をざっとおさらいしておきましょう。

(2巻12時間目「e Girl Life☆」より)
元々の千雨といえば、クラスではあまり目立たぬよう、当たり障り無く過ごす日々。
クラスメイトを「変人の集団」と言い、10歳のネギが担任であることにも不満を抱き続けていました。
しかし一方では「ネットアイドルちう」の姿を持ち、「裏の世界」でのトップを目指す野心家でもありました。

(12巻105時間目「世にも奇妙な?超の目的(前編)」より)
まほら武道会の最中には自ら「魔法」の存在に気づき、ネット上にあがる魔法バレ情報の火消しを手伝うなど、「ネギへの世話焼き」はこの頃から始まっていたと言えるでしょう。
この武道会後にエヴァリゾートに連れて来られ、いつの間にやらネギの仲間入りへ。
この時の千雨本人はあくまで仲間入りを全否定。
ただし「やっぱりついて来んじゃなかった」というセリフもあるあたり、『100%無理矢理連れて来られた』という事でもなさそうな様子。

(16巻149時間目「ウェルカムネギ・パーティ♥」より)
麻帆良祭最終日のvs超対策として、ネギと仮契約をした千雨。こうして千雨は正式にネギのサポートメンバー、従者となりました。
これまでのネギに対する叱咤はいつも厳しく険しい表情のものでしたが、この仮契約直後には送り出すような笑顔での激励となっていましたね。
●2:「仲間達」との距離
前項でも触れた通り3-Aクラスメイト達を「変人の集団」と言い放ち、できる限り関わらないように過ごしてきた千雨。
ある意味、クラスの中でも貴重な「傍観者」と言える立場の一人でしょう。

(14巻123時間目「本番直前大騒動!!」より)
その「傍観者」である千雨だからこそ備わっているのが「観察力」。
亜子の背中の傷についても、詳しくは知らないものの、亜子がクラス内でどのように過ごしてきたかをしっかりと把握しています。
距離は置いているものの、クラスメイトの事を「第三者」の立場からよく知っていると思います。

(19巻176時間目「ネギま部(仮)増殖中♥」より)
麻帆良祭での初戦闘を終え、ネギの従者の一人としての役目を十二分に務めた千雨ですが、「ネギま部」結成時点ではまだ「仲間」という意識は薄い様子でした。
ふと「仲間」という言葉を思い浮かべつつも否定してしまう・・・そんな不安定な時期だったのかもしれません。

そこでこの182時間目のセリフ、「奴等と楽しくバカやってるだけじゃダメなのかよ?」に繋がる部分であろうと思われます。
こういった心配の方法はいかにも千雨らしい、他のメンバーとは違った意識の中で生まれた「心配事」だったりするのです。
●3:他にはない「心情」
千雨と言えば極度の現実主義者。
自分自身は「No,1ネットアイドル」としてもう一つの顔を持ってはいますが、現実世界にファンタジーが関わってくる事をとことん嫌っていました。
他のクラスメイトはと言えば、何もかもがお祭り騒ぎ。
そういったどんちゃん騒ぎについていけない部分も多かったことでしょう。

(15巻138時間目「ネギ・パーティの異常な日常」より)
いくら魔法の存在を認識してしまったとはいえ、「現実」と「幻想」が交わることは決して無い・・・ましてやごっちゃになってもらっちゃかなわない・・・
このあたりが千雨とクラスメイト達との明らかな違いでした。
●4:変わる「環境」・変わる「心境」
それでは、千雨の「環境」・「心境」が変わった瞬間はどこなのでしょう?
明らかに変わったと思われる要因は「保護者の立場」。

(22巻200時間目「それぞれの『強さ』!」より)
魔法世界での千雨は、事あるごとに「神楽坂の代わり」という言葉をネギに発しています。
千雨は、自ら自然と「魔法世界での保護者役」を買って出たのです。
麻帆良では、ネギの隣にはほぼ必ずアスナがいました。パートナーとして、そして保護者として。
「ネギにはアスナが必要」・・・千雨もそんな姿を何度も見てきたことでしょう。
しかしネギ・パーティはバラバラになり、隣にアスナはいません。
そんな時に千雨の「世話焼き心」が働いたのでしょう。きっと「私が言ってやらなきゃコイツはなんともならねぇ」とでも思ったのではないでしょうか?
そして、そんな千雨の心境が劇的に表れたのが、209時間目だと思います。

(23巻209時間目「帰ってきたネギ!」より)
「闇の魔法」の修業に入り一向に目を覚まさないネギ。
そんなネギの横で、2日2晩付きっきりでネギの看病をしていました。
その時に、誰にともなく語られた言葉が、この時点での千雨の心境全てではないかと。

(同じく209時間目より)
この「神楽坂やあいつらに」という言葉に、現在の千雨からの「クラスメイトへの思い」が表れていると思います。
ネギという人物が「クラスみんなのネギ先生」であるという事実・・・
それを分かっているからこそ、それを認めているからこそ、「ネギに万が一の事があったら申し訳ない」という気持ちが大きくなっているのでしょう。
このあたりが、千雨自身「クラスメイトとの絆」を感じている部分であると思われます。

(同じく209時間目より)
議題にしたセリフで「楽しくバカやってるだけじゃ」と言う所からも分かるように、「10歳の子供に過酷な結末が待っている」という「現実」があってはならない・・・
千雨はネギに対してそんな思いも持っているのです。

(同じく209時間目より)
この「なんか無理」というセリフに、千雨の「一般人らしさ」が出ているように思います。
魔法の存在を知り、ネギの従者となり、現実とはかけ離れた幻想世界にまでやってきた千雨でも、つい数ヶ月前までは極々普通の一般人でした。
そんな千雨にとってはまだまだ受け入れられる余地ではない部分も多すぎると思います。
急激な環境の変化に戸惑いつつも気丈に振舞ってきた千雨ですが、緊張と緊迫のタガが外れたかのように涙を流し、ネギを「現実」へと引き戻そうとしました。
「強くなること」よりも「日常を暮らすこと」を取って欲しいと思った千雨・・・
実に千雨らしい判断、千雨らしい行動だと思います。
結果的には、ネギは「闇の魔法」を取得して起き上がりました。
その後、ラカンとの師弟対決も引き分け、そして今再びネギは「世界を知る」ことを選びました。

(258時間目「世界のヒミツの核心へ!!」より)
日本出発前は戸惑って返事のできなかったネギでしたが、魔法世界で数々の修羅場を越え、またその度にネギ自身も成長してきました。
今回ははっきりとした口調で千雨の問いかけに返答しました。
流石の千雨もここまではっきり言われて諦めがついたようです。
いや千雨の事だから、こういう返答が来ることすら予測できていたかもしれませんね。
●おわりに:クラスメイトの「絆」の一員へ
担任であるネギとそのクラスメイト達・・・
ネギにとっても、そしてクラスメイト達にとっても、それぞれの気持ちで、それぞれの想いでお互いの関係を築き上げてきました。
そのクラスメイトの中でも千雨だけは、良い第一印象の出会いではありませんでした。

(11巻91時間目「コスプレの極意、教えマス♥」より)
しかし学園で純粋に接してくるネギの姿に、少しずつ心を開いていったのは紛れもない事実でしょう。
そんなネギと他のクラスメイト達が接している姿もほとんど見てきている上に、それぞれの絆も認識しつつあった千雨・・・
千雨にとっては決して「自分もそんな絆になりたい」という憧れのものようなものではなく、「みんなの絆を壊してはいけない」という思いが強いのではないかと思います。
その「絆」中に自分から入ろうとしていたのではなく、『ごく自然に絆が生まれていた』というのが現在の千雨なのではないのでしょうか。
だからこそ、「私達と楽しくバカやって」という言葉も自然に、もしかしたら自分でも気づかないくらい自然に発することができていたのかもしれませんね。

(26巻236時間目「ナギ・コジロー組、出陣!」より)
このコマの裕奈&まき絵に象徴されると思いますが、クラスメイト達にしてみても、千雨が絡んでくれる事を心待ちにしていた部分もあるんじゃないでしょうか?
これからもこのように、千雨がクラスメイト達と自然に過ごす姿が見られるといいですね(^^)
以上で今回の考察を終わりにしたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
異論・反論・共感等、コメントにてお待ちしております。
(※この記事の画像は「魔法先生ネギま!」(原作:赤松健 発行:講談社)より引用させていただきました。
【2009/08/04 22:30 追記】
Masaxaさんが、本記事についての補足的派生記事を書いてくださいました!
是非こちらも合わせてご覧いただければと思います。
↓
千雨を頼るは茶々丸 - 網創漠蓄
また、拍手コメントをいただいております。
今回は記事の特性上、本記事内にて返信させていただきます。
≫100sikiさん
>素晴らしいです! 千雨と能力で協調すると面白そうなのは茶々丸(そちらの派生記事から来ました)ですが、対比すると面白そうなのは朝倉さんでしょうか?
100sikiさん、コメントありがとうございます!
千雨・茶々丸・朝倉といえばグラニクスで奴隷となった夏美達を助けるために話し合った仲間でしたね。
そういった所も含めて、この3人はネギま部でも参謀的役割として共感しあえる部分が多いような気がします。
千雨との対比を考えると色々面白いですね(^^)
関連記事のご紹介&拍手レスを追記しました。
どうもこんにちは謙太郎です。
先日突発に行われた、楊さんの「やん☆らじ10.5回目出張版」にゲストで出させていただきまして、その際に「ネギま!」258時間目の『千雨の発言』で気になった点がありました。
ラジオで話していて改めて自分でも整理してみたくなったので、久々に考察を書かせていただきました。
ちなみに今までスキャン画像を使った事がありませんでしたが、今回初めて使わせていただきました。
描かれた千雨の表情からも、色々な心情が読み取ることができるかと思いましたので使わせていただきました。
まとめていて非常に長くなってしまいましたが、是非ご一読いただければと思います。
「ネギま!」258時間目(28巻収録分ラスト)までのネタバレが含まれます。
ご注意ください。
↓
↓
『長谷川千雨:変わる「環境」・変わる「心境」』
●目次
以下のリンクから各項目にジャンプします。
●はじめに:明らかになる「心の変化」
258時間目「世界のヒミツの核心へ!!」を読んでいて違和感を感じた部分がありました、それがコチラ。

10P目最初のコマ、「魔法世界のヒミツ」を知ろうと決めたネギに対しての一言です。
過去にも言い放たれた聞き覚えのあるセリフなのですが、覚えてらっしゃいますでしょうか?

20巻182時間目「ネギ・パーティ、準備万端!!」より。
魔法世界に向けて発つ準備をしているネギに対しての一言。
内容としてはどちらも「麻帆良学園での日常を過ごすだけではいけないのか?」といった内容ですね。
同じような事を改めて再確認のために言っているようなセリフとなっています。
確かに受け手のネギにとっては「同じ内容」ではあるのですが、明らかに全く違う一点があります。


(左:182時間目より、右:258時間目より)
対象が『奴等』から『私達』に変わっているのです。
伝えている内容は同じかもしれませんが、この一言が違うだけで意味がかなり違ってくるのが分かるかと思います。
182時間目のような『奴等』という言い方である場合、「自分以外のクラスメイト達」を指していると思われます。
千雨の言いそうなセリフに置き換えるなら「私をその中に入れてくれるんじゃねーぞ?」といったところでしょうか。
しかし今回の『私達』という言い回し・・・これは確実に「自分も含めたクラスメイト達と・・・」という意識の変化があったのでは?
確かにここ最近の、特に魔法世界に来てからの千雨は、急激な心境の変化が行動に表れるようになってきています。
今回はその「心境の変化」が見られる部分をまとめつつ、どのような経緯で千雨がこの心境まで至ったかについて考えてみようと思います。
●1:あくまで「現実主義」者
まずは千雨がネギの従者になるまでの経緯をざっとおさらいしておきましょう。

(2巻12時間目「e Girl Life☆」より)
元々の千雨といえば、クラスではあまり目立たぬよう、当たり障り無く過ごす日々。
クラスメイトを「変人の集団」と言い、10歳のネギが担任であることにも不満を抱き続けていました。
しかし一方では「ネットアイドルちう」の姿を持ち、「裏の世界」でのトップを目指す野心家でもありました。

(12巻105時間目「世にも奇妙な?超の目的(前編)」より)
まほら武道会の最中には自ら「魔法」の存在に気づき、ネット上にあがる魔法バレ情報の火消しを手伝うなど、「ネギへの世話焼き」はこの頃から始まっていたと言えるでしょう。
この武道会後にエヴァリゾートに連れて来られ、いつの間にやらネギの仲間入りへ。
この時の千雨本人はあくまで仲間入りを全否定。
ただし「やっぱりついて来んじゃなかった」というセリフもあるあたり、『100%無理矢理連れて来られた』という事でもなさそうな様子。

(16巻149時間目「ウェルカムネギ・パーティ♥」より)
麻帆良祭最終日のvs超対策として、ネギと仮契約をした千雨。こうして千雨は正式にネギのサポートメンバー、従者となりました。
これまでのネギに対する叱咤はいつも厳しく険しい表情のものでしたが、この仮契約直後には送り出すような笑顔での激励となっていましたね。
●2:「仲間達」との距離
前項でも触れた通り3-Aクラスメイト達を「変人の集団」と言い放ち、できる限り関わらないように過ごしてきた千雨。
ある意味、クラスの中でも貴重な「傍観者」と言える立場の一人でしょう。

(14巻123時間目「本番直前大騒動!!」より)
その「傍観者」である千雨だからこそ備わっているのが「観察力」。
亜子の背中の傷についても、詳しくは知らないものの、亜子がクラス内でどのように過ごしてきたかをしっかりと把握しています。
距離は置いているものの、クラスメイトの事を「第三者」の立場からよく知っていると思います。

(19巻176時間目「ネギま部(仮)増殖中♥」より)
麻帆良祭での初戦闘を終え、ネギの従者の一人としての役目を十二分に務めた千雨ですが、「ネギま部」結成時点ではまだ「仲間」という意識は薄い様子でした。
ふと「仲間」という言葉を思い浮かべつつも否定してしまう・・・そんな不安定な時期だったのかもしれません。

そこでこの182時間目のセリフ、「奴等と楽しくバカやってるだけじゃダメなのかよ?」に繋がる部分であろうと思われます。
こういった心配の方法はいかにも千雨らしい、他のメンバーとは違った意識の中で生まれた「心配事」だったりするのです。
●3:他にはない「心情」
千雨と言えば極度の現実主義者。
自分自身は「No,1ネットアイドル」としてもう一つの顔を持ってはいますが、現実世界にファンタジーが関わってくる事をとことん嫌っていました。
他のクラスメイトはと言えば、何もかもがお祭り騒ぎ。
そういったどんちゃん騒ぎについていけない部分も多かったことでしょう。

(15巻138時間目「ネギ・パーティの異常な日常」より)
いくら魔法の存在を認識してしまったとはいえ、「現実」と「幻想」が交わることは決して無い・・・ましてやごっちゃになってもらっちゃかなわない・・・
このあたりが千雨とクラスメイト達との明らかな違いでした。
●4:変わる「環境」・変わる「心境」
それでは、千雨の「環境」・「心境」が変わった瞬間はどこなのでしょう?
明らかに変わったと思われる要因は「保護者の立場」。

(22巻200時間目「それぞれの『強さ』!」より)
魔法世界での千雨は、事あるごとに「神楽坂の代わり」という言葉をネギに発しています。
千雨は、自ら自然と「魔法世界での保護者役」を買って出たのです。
麻帆良では、ネギの隣にはほぼ必ずアスナがいました。パートナーとして、そして保護者として。
「ネギにはアスナが必要」・・・千雨もそんな姿を何度も見てきたことでしょう。
しかしネギ・パーティはバラバラになり、隣にアスナはいません。
そんな時に千雨の「世話焼き心」が働いたのでしょう。きっと「私が言ってやらなきゃコイツはなんともならねぇ」とでも思ったのではないでしょうか?
そして、そんな千雨の心境が劇的に表れたのが、209時間目だと思います。

(23巻209時間目「帰ってきたネギ!」より)
「闇の魔法」の修業に入り一向に目を覚まさないネギ。
そんなネギの横で、2日2晩付きっきりでネギの看病をしていました。
その時に、誰にともなく語られた言葉が、この時点での千雨の心境全てではないかと。

(同じく209時間目より)
この「神楽坂やあいつらに」という言葉に、現在の千雨からの「クラスメイトへの思い」が表れていると思います。
ネギという人物が「クラスみんなのネギ先生」であるという事実・・・
それを分かっているからこそ、それを認めているからこそ、「ネギに万が一の事があったら申し訳ない」という気持ちが大きくなっているのでしょう。
このあたりが、千雨自身「クラスメイトとの絆」を感じている部分であると思われます。

(同じく209時間目より)
議題にしたセリフで「楽しくバカやってるだけじゃ」と言う所からも分かるように、「10歳の子供に過酷な結末が待っている」という「現実」があってはならない・・・
千雨はネギに対してそんな思いも持っているのです。

(同じく209時間目より)
この「なんか無理」というセリフに、千雨の「一般人らしさ」が出ているように思います。
魔法の存在を知り、ネギの従者となり、現実とはかけ離れた幻想世界にまでやってきた千雨でも、つい数ヶ月前までは極々普通の一般人でした。
そんな千雨にとってはまだまだ受け入れられる余地ではない部分も多すぎると思います。
急激な環境の変化に戸惑いつつも気丈に振舞ってきた千雨ですが、緊張と緊迫のタガが外れたかのように涙を流し、ネギを「現実」へと引き戻そうとしました。
「強くなること」よりも「日常を暮らすこと」を取って欲しいと思った千雨・・・
実に千雨らしい判断、千雨らしい行動だと思います。
結果的には、ネギは「闇の魔法」を取得して起き上がりました。
その後、ラカンとの師弟対決も引き分け、そして今再びネギは「世界を知る」ことを選びました。

(258時間目「世界のヒミツの核心へ!!」より)
日本出発前は戸惑って返事のできなかったネギでしたが、魔法世界で数々の修羅場を越え、またその度にネギ自身も成長してきました。
今回ははっきりとした口調で千雨の問いかけに返答しました。
流石の千雨もここまではっきり言われて諦めがついたようです。
いや千雨の事だから、こういう返答が来ることすら予測できていたかもしれませんね。
●おわりに:クラスメイトの「絆」の一員へ
担任であるネギとそのクラスメイト達・・・
ネギにとっても、そしてクラスメイト達にとっても、それぞれの気持ちで、それぞれの想いでお互いの関係を築き上げてきました。
そのクラスメイトの中でも千雨だけは、良い第一印象の出会いではありませんでした。

(11巻91時間目「コスプレの極意、教えマス♥」より)
しかし学園で純粋に接してくるネギの姿に、少しずつ心を開いていったのは紛れもない事実でしょう。
そんなネギと他のクラスメイト達が接している姿もほとんど見てきている上に、それぞれの絆も認識しつつあった千雨・・・
千雨にとっては決して「自分もそんな絆になりたい」という憧れのものようなものではなく、「みんなの絆を壊してはいけない」という思いが強いのではないかと思います。
その「絆」中に自分から入ろうとしていたのではなく、『ごく自然に絆が生まれていた』というのが現在の千雨なのではないのでしょうか。
だからこそ、「私達と楽しくバカやって」という言葉も自然に、もしかしたら自分でも気づかないくらい自然に発することができていたのかもしれませんね。

(26巻236時間目「ナギ・コジロー組、出陣!」より)
このコマの裕奈&まき絵に象徴されると思いますが、クラスメイト達にしてみても、千雨が絡んでくれる事を心待ちにしていた部分もあるんじゃないでしょうか?
これからもこのように、千雨がクラスメイト達と自然に過ごす姿が見られるといいですね(^^)
以上で今回の考察を終わりにしたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
異論・反論・共感等、コメントにてお待ちしております。
(※この記事の画像は「魔法先生ネギま!」(原作:赤松健 発行:講談社)より引用させていただきました。
【2009/08/04 22:30 追記】
Masaxaさんが、本記事についての補足的派生記事を書いてくださいました!
是非こちらも合わせてご覧いただければと思います。
↓
千雨を頼るは茶々丸 - 網創漠蓄
また、拍手コメントをいただいております。
今回は記事の特性上、本記事内にて返信させていただきます。
≫100sikiさん
>素晴らしいです! 千雨と能力で協調すると面白そうなのは茶々丸(そちらの派生記事から来ました)ですが、対比すると面白そうなのは朝倉さんでしょうか?
100sikiさん、コメントありがとうございます!
千雨・茶々丸・朝倉といえばグラニクスで奴隷となった夏美達を助けるために話し合った仲間でしたね。
そういった所も含めて、この3人はネギま部でも参謀的役割として共感しあえる部分が多いような気がします。
千雨との対比を考えると色々面白いですね(^^)
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- 長谷川千雨:変わる「環境」・変わる「心境」 (2009/08/02)
- 「背表紙の問題」について割と真面目に考えてみた (2009/04/21)
- 千雨の電脳戦から見るセキュリティ対策の提唱 (2007/12/25)
コメント一覧
[675]
[676] コメントレス
≫サイクルさん
ご覧いただきありがとうございますm(_ _)m
>問いかけるシチュエーションの違い
なるほど、そう言われてみれば・・・「奴等」の時とはシチュエーションも違いますね。
む・・・ふと思うと「アレ」と「コレ」の違いぐらいにも考えられるなぁ・・・
>「当事者としての保護者」
>「傍観者としての保護者」
いやいや、よく分かりますよ。この違いもアスナと千雨の違いのひとつですね。
確かに千雨本人に判断を委ねられるケースというのはあまりないですし、唯一苦手とする部分でもあるかもしれません。
ご覧いただきありがとうございますm(_ _)m
>問いかけるシチュエーションの違い
なるほど、そう言われてみれば・・・「奴等」の時とはシチュエーションも違いますね。
む・・・ふと思うと「アレ」と「コレ」の違いぐらいにも考えられるなぁ・・・
>「当事者としての保護者」
>「傍観者としての保護者」
いやいや、よく分かりますよ。この違いもアスナと千雨の違いのひとつですね。
確かに千雨本人に判断を委ねられるケースというのはあまりないですし、唯一苦手とする部分でもあるかもしれません。
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千雨を頼るは茶々丸
まいぺーす日和さんの記事、
長谷川千雨:変わる「環境」・変わる「心境」を受けて補足的に。
「仲間」という意識を持ち出した千雨ですが、
そこに至るまでを語るのに欠かせない人物がいます。
(他のクラスメイトが忘れている中・・・)
そう。茶々丸。麻帆良祭中・後
>「奴等」と「私達」
ここには謙太郎さんの考えの部分に加えて、問いかけるシチュエーションの違いも出てきているのではと。一対一の時の問いかけだった最初の問いに比べ、今回の問いは他のメンバーの前、かつ進退を決定付ける最終ラインだったからこそ、「全体」を強く意識させる「私達」という表現になったのかな、と個人的には思います。
>保護者的役割
これは明日菜と別行動を取る事が多かった麻帆良祭中盤以降から見られていたものではありましたが、やはり魔法世界編で明日菜に続く二人目の保護者というポジションが決定的なものになった気がします。
とは言っても明日菜は共に歩む「当事者としての保護者」、千雨は冷静に判断して見守る「傍観者としての保護者」と若干果たす役目は違うとは思います。故に209時間目のように、当事者的判断が求められるケースに千雨は弱いのではないかと・・・分かりにくい表現でスイマセン(^^;)